企業にとって周年イベントは、これまでの歩みを振り返り、社員や取引先、顧客に未来を展望する重要な節目です。
記念行事というだけではなく、企業のブランド力向上や社内の結束力強化、新たなビジネスチャンスの創出にもつながるため、成功させることで大きな価値を生み出します。
本記事では、周年イベントの目的や具体的な企画内容を紹介し、実際の成功事例を交えながら、企業の成長につなげるポイントをご紹介します。
これから周年イベントを企画するという企業担当者の参考になれば幸いです。
- 周年イベントの概要
- 周年イベントを実施する理由や目的
- 企業が開催する周年イベントの事例10選
周年イベントとは?

企業の周年イベントとは、会社の設立から節目になる年を祝うイベントのことを指します。
5周年・10周年・25周年・50周年など、節目の年に開催されることが多いですが、企業によって様々です。
イベントの内容は、表彰式や食事会、企業の歴史を振り返る動画を作成、表彰式などがあります。
社員のモチベーション向上や顧客・取引先との関係強化、企業のブランディングにも役立ちます。
周年イベントは、企業の成長と共に関係者と感謝を共有し、未来に向けた新たなスタートを切る大切な機会です。
周年イベントを実施する理由・目的
周年イベントを実施する理由や目的は様々ですが、ここでは5つの例を挙げます。
- 社員の帰属意識が芽生える
- 部署や役職に捉われず円滑なコミュニケーションが生まれる
- 企業理念や事業ビジョンの共有
- 社員に感謝の気持ちを伝える
- インナーブランディング強化
それでは、これらの5つの理由について1つずつ説明していきます。
1.会社に帰属意識が芽生える
周年イベントを実施することで、社員の帰属意識向上が見込めます。
店舗スタッフや支店のメンバーなど、普段離れた場所で勤務している社員がいる場合は特に効果的で、周年イベントで顔を合わせることで、会社への帰属意識を高める効果があります。
帰属意識が高まることで、仕事へのモチベーションも上がり、離職率の低下や会社全体の士気向上にも繋がります。
2.部署や役職に捉われず円滑なコミュニケーションが生まれる
部署や役職に捉われず円滑なコミュニケーションが生まれるのも周年イベントを実施するメリットです。
普段は関わりのない部署が交流することで、社内コミュニケーションが活発になり、新しい発想が生まれる可能性があります。
コミュニケーションが活発になることで、チームワークが向上し、働きやすさにも繋がります。
また、普段話す機会のない役職の人とも交流できるチャンスがあるため、風通しの良い職場形成にも役立ちます。
3.企業理念や事業ビジョンの共有
周年イベントは、企業理念や事業ビジョンを共有する目的でも行われます。
経営者と社員が同じビジョンを持って働くことは、会社を運営する上で重要です。
周年イベントは、企業理念やビジョンを改めて共有し、社員一人ひとりが同じ目標に向かって進むきっかけとなります。
4.社員に感謝の気持ちを伝える
社員に感謝の気持ちを伝える目的でも周年イベントが実施されます。
勤務年数の長い社員を表彰したり、業績に貢献した社員を称えて記念品を授与したりと、社員に感謝を伝える場として最適です。
これらは社員のモチベーションアップや、切磋琢磨し高めあう関係性の構築にも役立ちます。
自分が会社に必要な存在か不安になったり、評価されないと感じている場合でも、感謝の言葉を伝えられることで、不安解消に繋がります。
5.インナーブランディング強化
周年イベントはインナーブランディングの強化にも役立ちます。
インナーブランディングとは、企業理念や価値観を社内で共有する取り組みのことを指します。
社員が企業理念や価値観に共感し、思い入れを持つことに繋がるインナーブランディングは、企業の成長に欠かせません。
企業の方向性や目標を社員全体に浸透させることで、強い一体感が生まれ、組織全体としてのパフォーマンスが向上します。
企業が開催する周年イベントの成功事例10選
企業が開催する様々な周年イベントの成功事例を10個紹介します。
- 【大阪開催】ドローン×アートの夜空演出!周年イベント「STARMIRAGE」が大盛況
- 花火とドローンの競演!さいたま市20周年記念イベントが大成功
- 【ハウスコム株式会社】設立25周年記念イベント開催
- 【BASFジャパン株式会社】創立70周年記念ビーチクリーンアップイベント開催
- 【キユーピー醸造株式会社】60周年創立記念式典開催
- 【株式会社カシワバラ・コーポレーション】創業70周年記念式典開催
- 【株式会社ロキグループ】創立40周年記念親善試合開催
- 【株式会社IHIエスキューブ】設立20周年記念イベント開催
- 【フエニックス・コンタクト株式会社】「脱炭素」100周年プロジェクト実施
- 【ラクスル株式会社】創業10周年記念イベント実施
それではここから、1つずつ詳しく解説します。
1.【大阪開催】ドローン×アートの夜空演出!周年イベント「STARMIRAGE」が大盛況
2025年3月23日から3月30日まで、大阪市中央区にある川の駅はちけんや周辺にて、『DRONE SHOW JAPAN PRESENTS STARMIRAGE IN OSAKA TEMMABASHI』が開催されました。
このドローンショーは史上初の試みで、「PEANUTS 75周年記念ドローンショー Twinkling love with PEANUTS」と、「大阪・関西万博開幕直前スペシャルドローンショー」の2本立てで実施されます。
PEANUTSコミックの誕生75周年を記念して、日本ではアニバーサリーイベントが多数企画されており、「PEANUTS 75周年記念ドローンショー Twinkling love with PEANUTS」はそのイベントのうちの1つです。
500機のドローンによって、スヌーピーやチャーリー・ブラウンなどのPEANUTSキャラクターたちが夜空に描き出され、会場は連日大盛況とのことでした。
周年イベントで集客アップや収益の最大化を図るなら、ドローンショーがおすすめです。

2.花火とドローンの競演!さいたま市20周年記念イベントが大成功

2023年10月14日、埼玉県さいたま市にある荒川総合運動公園・大宮けんぽグラウンドにて、「さいたま市政令指定都市20周年記念花火大会」が開催されました。
このイベントは、さいたま市の政令指定都市移行20周年を記念して、都市の成長と発展を市内外に発信し、市民のシビックプライドを高めることが目的です。
ショーは、1万発の打ち上げ花火と、500機のドローンによるドローンショーのコラボレーションで、サッカーのまち・さいたまにちなんだサッカー選手の3Dアニメーション、大宮盆栽美術館、さいたま市PRキャラクターつなが竜ヌゥなど、さいたま市をイメージしたモチーフがドローンによって夜空に描かれました。
さいたま市政令指定都市20周年記念花火大会🎆
— サークルK謝謝 (@MaruK_Sunkus) October 15, 2023
夏は暑過ぎたので涼しい時期に花火が見れて良かった✨
ありがとうございました! pic.twitter.com/QXvc13Du5n
SNSでは動画を撮影してアップしている人が多数見受けられ、「面白かった!」「見ごたえあった!」という感想がコメントされていました。
本イベントは約18万人の観客が訪れており、ドローンショーの開催は集客に貢献していることがわかります。
3.【ハウスコム株式会社】設立25周年記念イベント開催

2023年7月、設立25周年を迎えたハウスコム株式会社は、周年記念イベントを開催しました。
ハウスコム株式会社は、不動産賃貸の仲介をしている会社で、家主向けに「家主様感謝イベント」としてイベントを実施しました。
東京3か所・名古屋・大阪の5か所で開催され、来場者プレゼント、豪華賞品が当たる抽選大会、不動産オーナー向けのセミナー、芸人のステージなどが催されました。
累計参加者数は830名で、家主同士の交流会や賃貸に関するセミナーが好評を博しました。
4.【BASFジャパン株式会社】創立70周年記念ビーチクリーンアップイベント開催

2019年10月に創立70周年を迎えたBASFジャパン株式会社は、周年記念イベントとして茅ヶ崎にある「サザンビーチちがさき」のクリーンアップを実施しました。
BASFジャパン株式会社は、ドイツに本社を持つ世界最大の総合科学メーカーBASFの日本法人です。
BASFは毎年100以上の国や地域で開催されている、世界規模の海岸クリーンアップキャンペーンに参加表明しており、ビーチのクリーンアップ活動はその一環として行われました。
このイベントには、社員有志とその家族約110名が参加しています。
集められたごみは分類・集計され、調査結果は海洋ごみデータベースに登録されます。
この活動は社員による社会貢献活動として、毎年実施される予定です。
5.【キユーピー醸造株式会社】60周年創立記念式典開催

2022年8月に創立60周年を迎えたキユーピー醸造株式会社は、60周年創立記念式典を行いました。
キユーピー醸造株式会社は、キユーピーマヨネーズの原料の酢を製造・販売する会社です。
記念式典は、日本全国および中国支店とリモートで繋いで実施され、各部署の様々な年代のメンバーが発表を行いました。
また、60周年企画として、会社の年表制作、ホームページのリニューアルが実施されました。
記念品として、「Riche Fermenter 赤ワインビネガー」と「ビネガーマスターになれる本」が従業員や取引先に配布されています。
社員からは、「いろいろな人の思いを聞けて良かった」「60周年に相応しい心に残る式典だった」といったコメントが寄せられています。
6.【株式会社カシワバラ・コーポレーション】創業70周年記念式典開催
2019年3月に創業70周年を迎えた株式会社カシワバラ・コーポレーションは、創業70周年記念式典を行いました。
株式会社カシワバラ・コーポレーションは、建築、マンションの大規模修繕、内装リフォーム、リノベーションなどの会社です。
記念式典は、従業員とその家族への感謝や、企業のビジョンを伝え、帰属意識を高める目的で実施されました。
この式典は「The One」をテーマに、ハワイで開催され、800名が参加しています。
プログラムとして、表彰式、新作ユニフォームのファッションショー、中期経営計画プレゼン、豪華景品のあたる抽選会、ブッフェ形式の野外パーティーなどが行われ、参加者を大いに楽しませました。
7.【株式会社ロキグループ】創立40周年記念親善試合開催

2018年12月に創立40周年を迎えた株式会社ロキグループは、記念社員旅行を実施しました。
株式会社ロキグループは、フィルター製品・ハウジング製品・オゾン装置・水処理システムの開発・製造・販売などを事業内容とする会社です。
この社員旅行は国内外のグループ会社の社員も参加し、拠点や国籍の垣根を越えて、グループの結束力を深める目的で行われています。
行き先は台湾・台北で、プログラムとして、40周年記念式典、記念パーティーが催されました。
また、ロキグループには社会人野球チームがあり、台湾の社会人野球チームとの親善試合が開催され、大いに盛り上がりました。
8.【株式会社IHIエスキューブ】設立20周年記念イベント開催
2023年4月に設立20周年を迎えた株式会社IHIエスキューブは、記念イベントを開催しました。
株式会社IHIエスキューブは、システム関連のコンサルティング・エンジニアリング、通信サービスの運営・管理、ソフトウェア・ハードウェアの開発・設計などを事業内容とする会社です。
従業員とその家族約500名が参加し、記念ウェアのファッションショー、記念冊子制作、参加型ゲームなどが行われました。
9.【フエニックス・コンタクト株式会社】「脱炭素」100周年プロジェクト実施
2023年5月、ドイツにある本社が設立100周年を迎えたフエニックス・コンタクト株式会社は、同年2023年に設立35周年を迎えた日本法人にて周年事業プロジェクトを実施しました。
フエニックス・コンタクト株式会社は、電力やデータの接続、分岐、制御などの製品の開発・販売を行う企業です。
日本法人では「サステナビリティ」と「コネクション」をテーマに、「脱炭素」にフォーカスして様々な取り組みを行いました。
プログラム内容は、SDGsに関する研修の実施、全国4か所での循環型農業・漁業に触れるSDGsツアー開催、脱炭素チャレンジアプリの開発、周年記念パーティー実施などが挙げられます。
従業員からは、「学びの機会になった」「社員同士の繋がりが強まった」という声が寄せられました。
10.【ラクスル株式会社】創業10周年記念イベント実施

2019年9月に創業10周年を迎えたラクスル株式会社は、記念イベントを実施しました。
ラクスル株式会社は、ネット印刷、新聞折込・ポスティング、の部rティ・グッズ制作サービスなどを事業内容とする会社です。
創業10周年記念イベントとして、全社パーティーが開催され、従業員への日頃の感謝が伝えられました。
プログラム内容は、抽選会、フォトブース設置、謎解き大会などで、参加者全員が楽しめるイベントとなりました。
まとめ
本記事では、周年イベントの目的や具体的な企画内容、実際の成功事例を紹介しました。
企業の周年イベントは、単なるお祝いにとどまらず、社員のモチベーション向上、取引先や顧客との関係強化、ブランド価値の向上など、さまざまな効果をもたらします。
目的を明確にし、従業員や取引先、顧客にとって価値のある企画を実施することが重要です。
実際の成功事例からも分かるように、企業の成長ストーリーを発信し、未来へのビジョンを共有することで、企業のさらなる発展に繋げられます。
周年記念イベントの内容は企業によって様々ですが、社内の結束を強め、新たな顧客の獲得や社外へのPRをしたい場合は、ドローンショーの実施がおすすめです。