全国新スマート物流推進協議会は、この度『ドローン配送に関する約款指針』を策定したことをお知らせいたします。
EC市場の成長に伴う個別配送の増加やエネルギーコストの上昇、環境保護の要請、さらには「物流2024年問題」によるドライバー不足の深刻化など、物流基盤の崩壊が特に地方で懸念されています。
この問題は物流業界だけでなく、我々の日常生活にも大きな影響を及ぼす重大な課題です。
本協議会は、2022年5月に設立されて以来、買い物や医療、交通における不便を抱える地域住民の課題解決や、災害対応など社会的な問題に対処するため、陸上配送とドローン配送を組み合わせた効率的かつ最適な物流体制を整備する「新スマート物流」の推進に取り組んでまいりました。
この活動は官民が連携して進めているものです。
今回策定された「ドローン配送に関する約款指針」は、新スマート物流の鍵となるドローン配送の規範を定めるものであり、本協議会のB会員による「指針策定検討グループ」で精査・検討のうえ策定されました。
この指針の公開により、ドローンを活用した配送事業を検討している企業が広く利用できるようになり、地域におけるラストワンマイル配送の効率化を図り、持続可能な地域社会の実現に貢献することを目指しています。
なお、この指針は10月2日に北海道で開催される第3回ドローンサミットにおいて、本協議会が主催する特別プログラム内で紹介される予定です。(詳細はこちら)
さらに、今後も「指針策定検討グループ」には新たなメンバーを加え、内容の更新を行い、随時本協議会のウェブサイトで発表していく予定です。
「ドローン配送約款に関する指針」の概要
ドローン配送に関する約款指針バージョン1.0については、こちらをご覧ください。
目的
ドローンを活用したラストワンマイル配送の事業展開を推進し、持続可能な地域社会の構築に貢献することを目的としている。
策定に至った背景と過程
ドローン配送に関しては、規制面とサービス事業面で多くの課題が残されています。
本協議会では、まずドローン運航に関する規制から取り組み、昨年12月には国土交通省との継続的な協議を通じて、ドローン飛行レベル3.5の新設に貢献しました。
一方で、サービス事業の面では、現時点で「ドローン配送サービス」に関する約款が存在しておらず、まずは「指針」の策定を目指しています。
そのため、本協議会のB会員を中心に「ドローン配送約款指針策定検討グループ」を立ち上げ、議論と検討を重ねた結果、今回「ドローン配送約款に関する指針version 1.0」を策定するに至りました。
ドローン配送約款指針策定検討グループの現メンバーとコメント
ドローン配送約款指針策定検討グループは、以下の通りです。
- あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
- セイノーホールディングス株式会社
- 株式会社NEXT DELIVERY
ここで、各メンバーのコメントを紹介します。
あいおいニッセイ同和損害保険株式会社 常務執行役員 荒川裕司
リスクや約款づくりに関する損害保険会社ならではの知見を活用できると考え、「ドローン配送約款に関する指針Ver1.0」の検討に参画して参りました。新スマート物流向け保険商品の開発・提供を通じて、引き続き安心・安全なドローン配送の普及に貢献して参ります。
セイノーホールディングス株式会社 執行役員 河合秀治
ドローン配送約款の指針の作成をきっかけに中山間地域の物流の効率化、自動化について、みなさんと議論していきたいです。ドローン配送がひとつの配送手段として広く普及できるように、今回は限られたメンバーでしたが、さらに多くの皆様の周知を集めることでよりよい約款に改善していければと思います。
株式会社NEXT DELIVERY 代表取締役 田路圭輔
これまでの全国各地でドローン配送を進める中で得られた知見を様々な専門家の皆様と議論し、「ドローン配送約款に関する指針Ver.1.0」として発表できたことを本当に嬉しく思います。ドローン配送が未来の地域物流を支える必要不可欠なサービスになることを強く信じてこれからもしっかり努めて参ります。