イベント演出の新たな潮流として注目されている「ドローンショー」は、数百機のドローンが夜空を舞い、光と音で魅せる演出となっていて、従来の花火に代わる存在として自治体や大手企業などに浸透しています。
特に近年では、観光促進や地域ブランディングを狙う自治体での導入事例が急増しており、その理由には「環境負荷の低さ」や「SNSでの拡散力」などが挙げられます。
そこでこの記事では、ドローンショーの仕組みから自治体による導入の背景、成功事例、さらには実施までの流れや依頼時の注意点まで、わかりやすくご紹介します。
・ドローンショーの概要と自治体が導入を進めている理由
・自治体別のドローンショー導入事例
・自治体がドローンショーを開催するメリット
・ドローンショーを依頼してから開催するまでのステップ
・ドローンショー依頼時に確認するポイント
・自治体向けのドローンショーでよくある質問
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ドローンショーとは？自治体導入が注目される理由
ドローンショーは、数百〜数千機のドローンが連携し、空にアートやアニメーションを描き出す革新的なエンターテインメントです。
各機体にはLEDライトが取り付けられており、企業ロゴや花火のような模様、さらには簡易的な映像表現までも可能にします。
ドローンはあらかじめ設定されたプログラムによって自律的に動き、人手による個別操作は不要です。この自動制御システムにより、高度な演出を効率的に実現できます。
ドローンショーは企業プロモーションの一環として導入されることも多く、空をキャンバスにした広告手法として、観客にインパクトを与えるだけでなく、ブランド認知の向上にもつながる「観て楽しい・広めて嬉しい」二重の効果が期待されています。
広告効果・SNSにおける拡散力が高いドローンショーですが、ここからは、なぜ自治体の導入がおすすめなのか理由を解説します。
なぜ今、自治体がドローンショーに注目しているのか
近年、自治体がドローンショーを導入・検討するケースが増えています。
その背景には主に3つの要因があります。
まず、コロナ禍を経て「人が密集しない安全なイベント演出」へのニーズが高まり、屋外で実施できるドローンショーがそのニーズにマッチしている点です。
次に、従来の花火に比べて騒音や環境負荷が少なく、持続可能なイベントとして評価されていることが挙げられます。
さらに、環境配慮やSDGsを重視する自治体にとって、方針と親和性が高い施策となっています。
最後に、視覚的にインパクトのある映像演出がSNSで拡散されやすく、広報活動や観光促進の手段としても活用されている点が挙げられます。
これらの理由により、自治体でのドローンショーの導入検討が加速しているのです。
地域活性化や観光促進への効果が見込める
ドローンショーは単なる娯楽にとどまらず、地域活性化や観光誘致に有力な手段としても活用されています。
たとえば、地元の伝統文化や名産品、ゆるキャラなどをテーマにドローンショー演出を行うことで、地域独自の物語性を演出できます。
さらに、SNSやYouTubeなどを通じた拡散効果により、開催地の認知度が大きく向上します。
これにより、観光客の増加や商業エリアへの来訪者の増加、宿泊施設の利用促進など、経済効果の広がりも期待されています。
特に若者やファミリー層にとっては新しい体験として高い関心を集めやすく、地域のにぎわい創出にもつながります。
ドローンショー導入事例【自治体別】
ドローンショーはSNSでの拡散や地域活性化など様々な視点から、多くの自治体が導入を進めていますが、実際にどのようなドローンショーが開催されているのでしょうか。
そこでここでは、自治体別のドローンショー導入事例を1つずつ詳しく解説します。
佐賀市｜新市誕生20周年記念ドローンショー
2025年5月31日（土）と6月1日（日）に開催された「第54回 佐賀城下栄の国まつり」では、毎年恒例の佐賀城下花火大会に先立ち、初の試みとして『新市誕生20周年記念ドローンショー』が披露されました。
| イベント名 | 新市誕生20周年記念ドローンショー |
| 会場 | 佐賀中央郵便局付近（住所：佐賀県佐賀市松原２丁目１−３５） |
| 開催日程 | 2025年5月31日（土）20時30分～20時45分 |
| 主催 | 佐賀城下栄の国まつり振興会 |
| 演出 | 株式会社ドローンショー・ジャパン |
| お問合せ先 | – |
| 公式HP | https://www.city.saga.lg.jp/main/90584.html |
| SNS | – |
今回のドローンショーでは、500機のドローンが夜空を舞い、佐賀の魅力を表現した色鮮やかなバルーンの演出からスタートしました。
続いて「栄の国まつり」の総おどり、優雅に泳ぐ金魚や提灯、そしてムツゴロウの可愛らしい姿が次々と空に浮かび上がりました。
「佐賀らしさでみんなが上向くまち」というメッセージが描かれる場面では、観客から感嘆の声が上がるなど、会場は大いに盛り上がりました。
最後には、花火大会の主催団体「佐賀JC」のロゴがドローンによって映し出され、華やかな花火へとバトンをつなぐ演出が展開されました。
松阪市｜松坂城跡桜ドローンショー
2023年3月30日（木）と31日（金）の2日間、三重県松阪市の松阪公園グラウンドにて、『松坂城跡桜ドローンショー』が開催されました。
| イベント名 | 松坂城跡桜ドローンショー |
| 会場 | 松阪公園グラウンド（愛称：竹輝銅庵CHIKKIDOUANモーモースタジアム） |
| 開催日程 | 2023年3月30日（木）～2023年3月31日（金） |
| 開催時間 | 第1回18:40～ 第2回20:00～ 2日で合計4回開催 ショーの時間は約10分 |
| 主催 | 阪急交通社（大阪市北区梅田 代表取締役社長 酒井淳） 松阪市（市長 竹上真人） |
| 演出 | 株式会社ドローンショー・ジャパン |
| お問合せ先 | – |
| 公式HP | https://www.hankyu-travel.com/ |
| SNS | Instagram：https://www.instagram.com/hankyu_travel/?hl=ja X（旧Twitter）：https://x.com/hankyu_travel?s=20 |
このドローンショーは、地域の観光需要回復と市外からの誘客を目的とした官民連携プロジェクトの一環として実施されました。イベントでは、旅行商品に組み込まれた参加者や地元住民向けに、有料観覧席も設けられました。
特設観覧エリアは松坂城跡の本丸上段に設置され、夜桜のライトアップ、キャンドルアート、そしてドローンショーが同時に楽しめる贅沢な体験が提供されました。
100機のドローンが音楽に合わせて夜空を舞い、松阪の風物や象徴をモチーフにした7種類のアニメーションを演出しました。
2023.3.30 松坂城跡桜ドローンショー
— 箸休め (@fireworksviewer) April 1, 2023
全編動画 約4倍早回しとなってます。
途中ガタガタするのは構図を微調整してたため。
松阪市のキャラクター「ちゃちゃも」（知りませんでしたm(_ _)m）や鯰尾兜（知りませんでしたm(_ _;)m）、松阪牛？など地元色の濃い演出でした🙂 pic.twitter.com/26ATocVDNv
イベントに関するSNS上の反応も好意的なものが多く、X（旧Twitter）では、「牛や桜、松阪の風景がドローンで表現されていて感動した！」「ライトアップされた夜桜も美しく、心に残る体験だった」といった投稿が確認されました。
期間中は多くの来場者が訪れ、各回で歓声が上がるなど、イベントは盛況のうちに幕を閉じました。観光と地域住民の交流の場として、ドローンショーは新たな価値を示す成功例となりました。
和歌山市｜WAKAYAMA LIGHTS 2024 presented by FeStA LuCe
和歌山城のライトアップ「光の回廊」の実施を記念し、株式会社タカショーデジテックおよび株式会社ドローンショー・ジャパンの協力のもと、和歌山城では初めて、さらに県内でも最大級の規模となるドローンショー『WAKAYAMA LIGHTS 2024 presented by FeStA LuCe』を特別開催いたしました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| イベント名 | 「和歌山城～光の回廊～」ライトアップ記念 WAKAYAMA LIGHTS 2024 和歌山城ドローンショー presented by FeStA LuCe |
| 開催日時 | 2024年11月24日（日）※荒天の場合は17日（日）に順延 |
| 開催時間 | 19:00～約15分間 |
| 開催場所 | 和歌山城公園 西の丸広場（〒640-8146 和歌山県和歌山市一番丁） |
| 主催 | ・フェスタルーチェ実行委員会 ・株式会社ドローンショー・ジャパン |
| 共催 | 和歌山市 |
| ドローンショー担当企業 | 株式会社ドローンショー・ジャパン |
本ドローンショーは、ライトアップされた和歌山城公園と、夜空に浮かぶ天守閣を背景に、400機のドローンが織りなす幻想的な光の演出を堪能できるイベントとなりました。
このドローンショーは、自社でドローンショー専用機体「unika（ユニカ）」を開発・製造し、日本国内で250件以上のドローンショーを開催してきた実績豊富な国内最大手『株式会社ドローンショー・ジャパン』が担当しています。
自治体がドローンショーを開催する3つのメリット
ここでは、自治体がドローンショーを開催するメリットを紹介します。
それではここから、1つずつ詳しく解説します。
1.SNS拡散効果で地域PRにつながる
ドローンショーは視覚的に強いインパクトを与えるため、イベント参加者による写真や動画の投稿が活発になります。
SNS上で拡散されることで、イベントの様子が広く共有され、地元の話題性が一気に高まります。
Bastille Dayのドローンショー🇫🇷
— Hitomi (@Ratatouille30) July 18, 2025
ノートルダムの鐘、ずっと鳥肌だった。
音楽と、ドローンと、花火と、 光と。
とにかくパリのナイトショーはすごい。
すごいしか言えない😭
ディズニーランドパリ pic.twitter.com/KsAAUHpx65
とくに若年層や観光客をターゲットにした施策では、InstagramやTikTokなどの影響力を活かした広報効果が大きく、広告に頼らずとも地域の魅力を効果的に発信できます。
自治体名や観光資源と結びついたショーの構成を実施することで、ブランド価値の向上にもつながります。
2.花火に代わる「環境に優しい選択肢」
花火はその美しさの反面、煙やゴミ、爆音などによる環境負荷が課題となってきました。
その点、ドローンショーは二酸化炭素の排出が極めて少なく、使用後にゴミが残らないクリーンな演出方法として注目を集めています。
また、動物や高齢者にとっても騒音ストレスが少ないため、より多くの人が快適に楽しめるイベントづくりが可能です。
さらに、ドローンのバッテリー電力を再生可能エネルギーと組み合わせれば、脱炭素社会の実現にも貢献できます。環境保全を重視する自治体にとって、時代に合った選択肢として導入が進んでいます。
3.安全でインパクトのある演出が可能
ドローンショーは事前にプログラムされたルートでドローンが自動飛行するため、人為的な操作ミスが発生しにくく、全体として高い安全性が確保されています。
従来の花火や火を使う演出と異なり、火災や爆発などのリスクがなく、小さなお子様や高齢者が多い地域イベントでも安心して導入できます。
また、光と音を組み合わせた空中演出は非常に迫力があり、来場者に強い印象を残せます。
夜空に文字やキャラクターを描き出す独創的な演出は、従来のイベントにはない新しさを提供します。
ドローンショーの依頼から開催までの流れ
ドローンショーを実施するまでの大まかな流れについて解説します。
ドローンショーを企画運営している業者に、公式ホームページのフォーマットから問い合わせます。
必要事項が確認できれば見積もりが作成され、比較検討した上で業者への発注を決定します。
実際の会場でドローンが飛行可能かどうかの調査が始まります。
- 建物・立地・広さ
- 周辺を含めた人の流れ
- 電波妨害がないかどうか
ドローンショーの当日、安全に飛行が可能かどうか、また国土交通省への申請が通る場所かどうかなども含め、多数の観点から調査が行われます。
ロケハンの結果、飛行条件に合わない場合は、開催場所や飛行方法の見直しなどが行われます。
アニメーション制作は、イベントのクオリティを左右する重要なプロセスで、ドローンショーに使用する映像や証明効果などを制作します。
3DCGソフトを使って制作されたアニメーションを、専用ソフトに読み込むことでドローンショーの実施が可能となります。
ドローンショーの実施にあたっては、ドローンを特殊な飛行方法で飛ばすため、国土交通省へ飛行申請を出さなくてはなりません。
申請から許可が出るまでには時間がかかるため、余裕を持って申請できるようなスケジュールが必要です。
- 夜間飛行
- イベント会場での飛行
- 人工密集地での飛行
作成されたアニメーションが正しく表示されることを確認します。
ドローンショー当日の安全な飛行のためには、入念なリハーサルは必要不可欠です。
ドローンショーの開催にはさまざまな過程が存在し、その分必要な期間も長くなります。
もしドローンショーの開催を検討する場合は、なるべく早い段階でドローンショーの企画会社に相談するようにしましょう。
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ドローンショー依頼時に確認するポイント
ドローンショーの実施を検討する際には、演出の魅力や費用面だけでなく、運営会社の信頼性や安全対策にも十分な注意が必要です。
ドローンショーをスムーズかつ安心して開催するためにも、以下のポイントを押さえておくことが重要です。
それではここから、1つずつ詳しく解説します。
1.実績のある運営会社かどうか
まず確認すべきなのは、その会社が過去にどれだけのドローンショーを実施してきたかという実績です。
特に自治体や公共イベントでの運用経験があるかどうかは、安全性や地域住民への配慮といった点でも重要な判断材料となります。
公式サイトやパンフレットに掲載されている事例をチェックし、可能であれば実際に導入した自治体などのレビューも確認しておくと安心です。
ドローンショー開催時にどの企業に依頼するか迷っている方は、日本国内で250件以上のドローンショー実績を誇る『株式会社ドローンショー・ジャパン』がおすすめです。
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2.安全性・保険・トラブル対応の体制
ドローンを多数飛行させる以上、万が一の事故や予期せぬトラブルに備える体制が整っているかも見逃せないポイントです。
万全の機体メンテナンス体制や飛行前の安全確認、操縦スタッフの資格保有状況などに加え、第三者賠償保険に加入しているかも確認しましょう。
また、天候不良時の中止判断基準や代替案の提示など、リスクマネジメントに関する説明があるかも重要です。
3.オリジナル演出の自由度
地域の魅力やイベントのテーマに合わせた演出ができるかどうかは、ドローンショーの成功を左右する大きな要素です。
演出テンプレートだけでなく、オリジナルロゴやキャラクター、地域のランドマークをモチーフにした表現が可能か、事前にヒアリングしておくとよいでしょう。
打ち合わせ時にどれだけ柔軟に要望を聞いてくれるか、また提案力のあるプランナーがいるかも大きな判断基準になります。
自治体向けドローンショーでよくある質問
ここでは、自治体向けドローンショーでよくある質問とその回答を紹介します。
花火と併用できますか？
ドローンショーは花火と併用可能です。
過去にはドローンショーと花火がコラボレーションしたイベント『STARDANCE in 横浜・八景島シーパラダイス』が開催され、多くの観客・観光客を魅了しました。
どのくらい前から準備が必要？
ドローンショーを開催する際は、2～3か月以上の期間を開けておくことをおすすめします。
ドローンショーは、お問い合わせからロケハン、アニメーション制作、飛行許可申請など多くの手順を踏んでようやく開催できるイベントです。
ドローンショー開催を考えている方は、2～3か月以上余裕をもって準備しましょう。
悪天候の場合はどうなる？
ドローンショーは悪天候の場合、基本は延期または中止となります。
中止の際の費用に関してですが、ドローンショー企業によって異なりますが、当日中止を決めた場合は金額の70%を負担する必要があり、1週間前なら50％負担など早く判断して中止にしたほうが全体的な負担を減らせます。
子ども向けイベントにも適していますか？
はい、ドローンショーはお子さま向けのイベントにもぴったりです。
カラフルで躍動感のある演出は、子どもたちの目を引きつけ、強い関心を抱かせます。
さらに、ドローン操縦の体験コーナーを取り入れれば、遊び感覚で空間把握力や集中力を高める機会にもなり、教育的な効果も期待できます。
まとめ｜ドローンショーは地域イベントの新たな選択肢
本記事では、自治体がドローンショーの導入を進めている理由やショーを開催するメリット、依頼時のポイントを徹底解説しています。
また、自治体別のドローンショー導入事例や依頼から開催までの流れを詳しく紹介します。
ドローンショーは、視覚的インパクトと環境配慮の両立を実現した次世代の演出手法として注目されており、自治体にとっては、騒音の少なさやSDGsへの親和性、そしてSNSを活用した広報効果など多くの利点があります。
実際に、佐賀市・松阪市・和歌山市などでの事例からも、地域の魅力を引き出しつつ観光促進や地域経済への波及効果が生まれていることがわかります。
また、開催までにはロケハンや飛行許可申請、アニメーション制作などの工程がありますが、経験豊富な運営会社に依頼すればスムーズに実施可能です。
今後、地域活性化や話題づくりを目指す自治体や観光地にとって、ドローンショーは非常に有効な施策の一つとなるでしょう。
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