ドローンショーは、最先端の次世代型エンターテイメントのひとつとして進化を続けており、国内外でますます注目されています。
インパクトが強く宣伝効果の高いアピール手段として、ドローンショーを企画し、開催してみたいと思う人も増えてきました。
しかし、実際にやってみようとすると、そもそもの仕組みがよくわからなかったり、開催のための条件はどのようなものなのか疑問に思う方も多いでしょう。
この記事では、ドローンショーを開催するために必要な知識として、ドローンショーの仕組みや開催の条件、使用される機体の種類や開催までの大まかな流れを解説します。
- ドローンショーの概要
- ドローンショーの仕組み
- ドローンショーで表現できるアニメーションやデザイン
- ドローンショーを行う条件とは
- ドローンショーに使用される機体
- ドローンショー開催までの流れ
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ドローンショーとは?
ドローンショーは、LEDライトを搭載した複数のドローンを飛ばして、様々な絵柄やキャラクター、ロゴなどのデザインを上空に表現するイベントです。
ドローンショーと聞くと、2021年に行われた東京2020オリンピックを連想する方も多いのではないでしょうか。
開会式で行われたパフォーマンスは、国内外の多くの人々に鮮烈な印象を与え、ドローンショーの認知度も大幅に上がりました。
実際にドローンショーを開催するには、専門業者に依頼する必要があるため、当然ながらまとまった費用がかかります。
しかし、YouTubeなどでの動画配信が可能であること、メディアでの紹介やその他のSNSでも拡散が期待されることから「費用対効果の高いアピール手段」のひとつであると言えます。
ドローンショーの仕組み
通常のドローンでは、基本的に1機のドローンに対して1人のパイロットが操縦を担当します。
ドローンショーでは、多数のドローンを同時に飛ばす必要があるため、プログラミングによって制御されたドローンが自動で飛行する仕組みになっています。
複数の人間が同時に多数のドローンを操縦するには、稼働できる人数に限界があり、高度や距離、タイミングにも多少のズレが生じてしまうためです。
あらかじめ準備されたプログラミングでドローンが自動制御されることにより、乱れがなく規則的で正確な飛行が可能となります。
また、飛行中の人的操縦ミスによる衝突事故のリスクを、限りなくゼロに近い値まで減らすこともできます。
ドローンの構造上、飛行可能な時間は最大でも20分ほどに限られており、1時間以上の長時間パフォーマンスは現段階では困難です。
また、日本では安全性への配慮から、バッテリーの残量に余裕をもたせて運用しているため、ドローンショーの持続時間は約10分程度で終了します。
ドローンショーで表現可能なアニメーションやデザインは?
LEDライトを搭載した、数十機から数千機のドローンショーでは、様々なアニメーションやデザインが表現可能です。
これまでに、ドローンショーで表現されたアニメーションやデザインには次のようなものがあります。
- 花や動物などのイラスト
- ディズニーやポケモンなどの人気キャラクター
- 企業や団体のロゴ・マーク
- 文字
- QRコード
比較的シンプルなイラストの表現から、大がかりなプログラム仕立てのものまで様々な図柄が表現でき、表現するアニメーションやデザインによって必要なドローンの数も変わってきます。
特に、遠くからでも読み取れる文字やQRコードを表現するには多数のドローンを必要としますが、その宣伝効果は高く、注目度も高まります。
QRコードは、見ている人が実際にスマホで読み取り可能なことから、企業などの宣伝や集客につながる有効な手段として、これからも活用の機会が増えていくでしょう。
ドローンショーを行うための条件は?
ドローンショーを安全に開催するためには、開催前に法令やその他のルール、開催に必要な条件を確認しておく必要があります。
- 会場面での条件
- 天候面での条件
- 法律・制度面での条件
本番当日になってから近隣とのトラブルが発生したり、法令違反が発覚して中止といった事態にならないないように、事前にしっかりと準備しておくことが大切です。
それではここから、ドローンショーを行うための条件を詳しく解説します。
会場面での条件
ドローンショーを実施する際に、ドローンと観客の距離が近過ぎると危険なため、最低でも50m以内の範囲は立ち入り禁止エリアとなります。
飛行範囲は、高さを150m以内にすることや、平面では150m×100m以内にすることなどが航空法で定められています。
ドローンと観客との適正距離は150mであることから、飛行範囲を含めて余裕がある広さの会場を確保することが必要です。
事前調査の段階で、ドローンが観客からよく見えるように距離を定めて、開催が可能な会場であるかどうかを判断することになります。
天候面での条件
ドローンショーは、花火などと比較すると天候面の影響を受けにくいですが、それでも全く影響を受けないというわけではありません。
例えば台風などによる激しい雨や強風は、ドローンの操縦に影響するだけでなく、観客動員に支障が出る可能性があります。
当日の天候が悪く開催不能と判断された場合は、やむを得ず中止または延期の措置が取られることになります。
ドローンショーの開催は、なるべく天候が変わりにくい時期を慎重に選んでリスクを軽減するのがおすすめです。
また、中止または延期となった場合の費用負担については、業者によって対応が異なるため、契約の前に確認しておくようにしましょう。
法律・制度面での条件
ドローンショーでドローンを飛行させるには、法令を順守する必要があります。
ドローンショー開催にあたっては、航空法や電波法・民法などの法律や、各自治体で定められている条例を把握した上で企画しましょう。
例として、航空法では主に「飛行が禁止されている場所や条件」が定められ、民法207条では「土地所有権の侵害」についての法律があります。
ドローンショーの実績があり信頼できる企画運営会社に相談、依頼することにより、法令に不慣れな人でも安心してドローンショーを開催できます。
ドローンショーに使用される機体は?
ドローンショーでは、上空での表現に特化した性能を持つ専用機体が使用されます。
空撮用のカメラが搭載された一般的なドローンとは異なり、ドローンショーに必要な機能や性能を最優先させ、小型・軽量化されたモデルとなっています。
2020東京オリンピック開会式のパフォーマンスでは、パソコン部品などで世界的に有名なintel(インテル)社製のドローン「Shooting Star」1824機が使用されました。
他には、中国のHIGH GREATや韓国のGenesisも知名度の高いドローンメーカーとして有名です。
日本国内でもドローンショー専用機の開発は進んでおり、2022年8月には石川県金沢市に本社を構える株式会社ドローンショー・ジャパンが自社開発した「unika」が発売され、話題となりました。
また、株式会社ドローンショー・ジャパンが自社開発・販売する『DSJ MODEL-X』が2024年10月31日から予約受け付けを開始し、注目が集まっています。
自らドローンショーを企画運営する会社による自社製品ということで、きめ細やかな機能性の向上とコストの削減を実現しています。
関連記事:ドローンショーではどんな機体が使われている?仕組みや各機体の使用事例3選を紹介
ドローンショー開催の流れ
ドローンショー開催までの大まかな流れは次の通りです。
ドローンショーを企画している専門業者の公式ホームページの問い合わせフォームに必要事項を記入して送信します。
開催予定地を実際に業者が視察し、広さや電波状況など多数の観点から調査を行い、ドローンショー開催が可能かどうかを判断します。
調査の結果、飛行条件を満たさない場合は、開催場所や飛行方法の見直しが行われます。
会場視察を元に提出された見積書で問題がなければ契約となり、ドローンショー開催が正式に決定します。
アニメーション制作及びプログラミングは、ドローンショーのクオリティを決める最も重要なプロセスです。
3DCGソフトを使用して作成されたアニメーションを専用ソフトに読み込むことによりドローンショーの実施が可能となります。
アニメーション制作及びプログラミングと並行して、ドローンショー実施にあたって必要な国土交通省への飛行許可申請を行います。
申請してから許可が下りるまで2週間以上かかる場合もあるため、余裕を持ったスケジュール設定が必要です。
作成されたアニメーションが正しく表示されることを確認するとともに、本番を想定した入念なリハーサルが行われます。
ドローンショーを開催するまでには、飛行許可申請も含めて通常1ヶ月以上の準備期間が必要なため、スケジュールには余裕を持って計画しましょう。
まとめ
本記事では、ドローンショーの概要や仕組み、表現できるアニメーションやデザインを徹底解説しました。
また、ドローンショーを開催するにあたっての条件や開催までの流れについて紹介しています。
ドローンショーを見たことはあっても、自分で開催するとなると具体的に何をすれば良いのか、どのようなことに注意するべきか、わからないという方も多いでしょう。
特に初めてドローンショーの開催に取り組もうと思っている方にとっては、仕組みや条件など疑問に思うことがいくつもあるはずです。
実際にドローンショーの開催までには、少なくとも1ヶ月以上の準備期間が必要とされており、その間にやることもたくさんあります。
開催にあたっては、天候や会場の状況だけでなく、法令を守ってトラブルのリスクを最小限に抑えることが重要です。
本記事を参考にしていただき、ドローンショーの開催に向けて前向きな一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
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