近年、エンターテインメントの新たな表現方法として注目を集めているドローンショーは、光と音が織りなす幻想的なイベントとして日本各地で開催されています。
そんなドローンショーに欠かせないのが、数百台~数千台のドローンです。
そこで本記事では、実際にドローンショーで使用されている機体を詳しく紹介・解説します。
また、ドローンショーの仕組みや機体別の過去事例も合わせて紹介します。
・ドローンショーで使われている機体はどんな種類があるのかについて
・ドローンショーの仕組み
・ドローンショー専用機体を使った過去のイベント事例
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ドローンショーで使われる機体はどんな種類がある?
人気女性アイドルグループももいろクローバーZの結成15周年記念ソング『いちごいちえ』のミュージックビデオやポケモンのアニメーションを夜空に演出する『ポケモンGOドローンショー』など、ドローンショーは様々な場所でエンターテインメントとしてパフォーマンスを繰り広げています。
そんなドローンショーで使用される機体は、どんなものがあるのでしょうか。
そこでここでは、ドローンショーで実際に使われている機体の種類を1つずつ紹介します。
国産のドローンショー専用機体『unika』
「unika(ユニカ)」は、株式会社ドローンショー・ジャパンが開発した国産初のドローンショー専用機体です。
「unika」という名前は、「統合」を意味する「UNIVERSE」や「UNITE」の「UNI」と、金沢の頭文字「KA」を組み合わせて名付けられました。
丸みを帯びた可愛らしいフォルムは、ドローンに親しみやすさを与え、ドローンそのものも好きになってもらえるようなデザインを目指しています。
- 空力重視の流線型ボディで、従来機比約3分の1の軽量化
- 透明ボディでLEDの拡散性を高め、鮮明な光のパフォーマンスを実現
- 3系統の通信方式で、安定した飛行と安全性を確保
- GPS RTKシステムにより、従来比約10倍の精密な飛行を実現
unika(ユニカ)は2023年12月時点で、唯一日本国内で開発されているドローンショー用専用機体です。
また、株式会社ドローンショー・ジャパン公式YouTubeチャンネルでは、『unika(ユニカ)』について詳しく解説した動画があるので、本記事と合わせてご確認ください。
Intel(インテル)社ドローン『Shooting Star』
Intel(インテル)社ドローン『Shooting Star』は、エンターテイメント性の高いドローンショー専用機体として、インテル社が開発・製造する小型軽量のドローンです。
インテル社のゼネラルマネージャーは、ドローンショー専用機体「Shooting Star」を空飛ぶコンピュータと表現しています。
Shooting Starは、従来のドローンとは異なり、以下のような特徴を持っています。
- 従来のドローンと比べて小型・軽量で、持ち運びや輸送が容易
- 高輝度LED搭載: 高輝度LEDを搭載し、夜空を鮮やかに彩る
- インテル独自のソフトウェアにより、数百台、数千台のドローンを同時に精密に制御
- 衝突回避システムなど、安全性を考慮した設計
また、東京オリンピック開会式では、1824台のShooting Starが使用され、ギネス記録にも認定されました。
Shooting Starは、2024年4月現時点で一般販売されていませんが、その技術力はドローンショーの未来を大きく変える可能性を秘めています。
ドローンショー用専用機体『TAKE』
ドローンショー用専用機体『TAKE DRONE』は、株式会社レッドクリフが販売する屋外ドローンショー専用機体です。
従来のドローンと比較して、以下の性能・特徴があります。
- レッドクリフが担当する700機のショーで実際に使用された機体
- RTK技術を用いることで、誤差のない正確な飛行を実現
- さまざまな動きや発光パターンで、多彩な演出が可能
- 軽量ボディと風・寒さへの強さで、安全な飛行を実現
- コンパクトに折り畳み可能で、持ち運びや収納が容易
TAKE DRONEは、ドローンショーの新たな可能性を広げる機体として注目されています。
株式会社レッドクリフは、そんなTAKE DRONEの販売と合わせて、10日間の講習付きパッケージを提供しています。
このパッケージは、ドローンショーを新規事業として検討している民間企業、イベント業者、自治体向けに、実際にドローンを飛行させるまでのサポートを提供します。
また、予算に合わせて新品だけでなく、メンテナンス済みの中古機体も販売しています。
ドローンショー用専用機体『EMO』
ドローンショー用専用機体『EMO』は、株式会社レッドクリフが販売する屋外ドローンショー専用機体です。
同社は、幕張メッセで開催されたメディア総合イベント「Inter BEE 2022」にて、ドローンショー用新機種「EMO」を発表しました。
EMOは、従来の機種と比べ、飛行性能、LEDライト、安全性など、あらゆる面で大幅な進化を遂げています。
従来のドローンと比較して、以下の性能・特徴があります。
- ドット抜けゼロを実現する自動再配置システム
- 長時間飛行を可能にする高性能バッテリー
- 繊細な表現を可能にする高輝度LEDライト
- 風圧抵抗強化とプロペラガード標準搭載
ドローンショー用専用機体『EMO』は、今までのドローンショー専用機体よりも安全な航行ができるように改良を加えられているため、安心してショーを開催できます。
また、株式会社レッドクリフ公式YouTubeチャンネルでは、『EMO』について詳しく解説した動画があるので、本記事と合わせてご確認ください。
ドローンショーはどんな仕組み?
ドローンショーは、数百機から数千機のドローンが高度な技術と緻密な計算によってプログラミング制御され、夜空にキャラクターや文字などのアニメーションを演出します。
ドローンショーのプログラムは、高度なアルゴリズムを用いて、飛行速度、高度、姿勢などを精密に制御します。
さらに、音楽や映像と連動させることで、光のダンスやアニメーションなど、観客を魅了する圧倒的なパフォーマンスを生み出すのです。
ドローンはバッテリー駆動のため、飛行時間は最大でも20分程度が限界です。
日本では安全性を考慮し、余裕を持った運用が求められるため、実際のドローンショーは10分程度で終了します。
年々、バッテリー性能の向上や自動制御システムの進化が進んでいるので、将来的には長時間のドローンショーや複雑な演出などが可能になるとされています。
ドローンショー専用機体の過去事例3選
ここまで、実際にドローンショーで使用されている専用機体の種類を紹介しました。
ここからは、前述で紹介したドローンショー専用機体を使用したショーの過去事例を紹介します。
それでは1つずつ順番に紹介します。
国産のドローンショー専用機体unikaを使った『目の愛護ショー in TOKYO』
国内屈指のドローンショー実績を持つ「株式会社ドローンショー・ジャパン」は、2024年3月22日、東京・豊洲にて『目の愛護ショー in TOKYO』を開催しました。
本ドローンショーでは、500機のドローンが夜空を彩り、幅100メートルを超える巨大な目や、花粉症対策に関するユーモアあふれる演出を披露しました。
X(旧Twitter)では、目の愛護ショー in TOKYOについて、このような投稿が確認できました。
こちらの投稿では、ドローンショーを見て「辛い時期ですが、目薬で乗り切ります!」「楽しかった!ありがとうございます!」というコメントが確認できました。
ロート製薬が実施した本ドローンショーは、目の健康意識を向上させる目的があるため、巨大な目や目薬のアニメーションを夜空に演出しています。
こちらの投稿では、「ドローン凄い!」「豊洲で見れて良かった!」というコメントが確認できました。
昨年10月には、「ロート・目の愛護ショー」が大阪で開催され注目を集めたこともあり、東京都豊洲で実施された本イベントは東京に住む多くの観客やSNSユーザーから歓声が上がっていました。
このように、エンターテイメント性と公益性を兼ね備えたユニークなドローンショーは、多くの人に目の健康の大切さを伝えるイベントとして今後も期待されています。
また、目の愛護ショー in TOKYOは、昨年10月に大阪で開催された「ロート・目の愛護ショー」の東京版として、大勢の観衆を魅了したショーとして大成功を収めました。
ロート製薬公式YouTubeチャンネルでは、『目の愛護ショー in TOKYO』の早回し映像とダイジェスト映像が見られるようになっているため、動画でショーを見たい方や現地に行けなかった方は是非チェックしてください。
ロート製薬公式YouTubeチャンネル『目の愛護ショー in TOKYO』早回し篇
ロート製薬公式YouTubeチャンネル『目の愛護ショー in TOKYO』ダイジェスト篇
Intel(インテル)社ドローンShooting Starを使った『東京オリンピック2020開会式』
2020年7月23日、東京オリンピック2020開会式において、1,824機のドローンによる壮大なショーが実施されました。
本ドローンショーでは、インテル社のドローン「Shooting Star」1,824機が新国立競技場の夜空に「大会エンブレムから地球儀のような形へと変化するアニメーション」を演出しました。
インテル社のドローン「Shooting Star」は、2018年の平昌冬季オリンピックでも使用された実績があり、東京オリンピックではさらに技術力を磨き上げ、圧倒的なパフォーマンスを実現しました。
東京オリンピック2020開会式のドローンショーは、SNSでも大きな話題となりました。
こちらの投稿では、「ここ数年で一番感動した」というコメントが確認できました。
X(旧Twitter)をチェックしていたところ、大勢のユーザーが東京オリンピック2020開会式で披露されたドローンショーに対して感動したとコメントしていました。
こちらの投稿では、「数千台のドローンでも正確に制御できるんですね」というコメントが確認できました。
東京オリンピック2020開会式のドローンショーでは、1824機のドローンが使用されギネス世界記録にも認定されています。
また、Intel(インテル)社製のドローン『Shooting Star』は、独自のソフトウェアにより数百台~数千台のドローンを精密に制御しています。
そのため、複雑な動きも表現できるという特徴があります。
本ドローンショーは、無観客開催という異例の状況下ではあったものの、東京オリンピック2020開会式で行われたドローンショーは世界中の人々に感動を与えました。
ドローンショー用専用機体TAKEを使った『第41回横浜開港祭ドローンショー』
ドローンショー実績多数で国内最大級のドローンショーを企画運営する株式会社レッドクリフ(REDCLIFF, Inc.)は、2022年6月2日に神奈川県横浜市臨港パークで『第41回横浜開港祭ドローンショー』を開催しました。
本ドローンショーでは、500機のドローンによる「帆船」や「薔薇」、「横浜」などの横浜開港祭に因んだオリジナルアニメーションが演出されました。
第41回横浜開港祭ドローンショーの様子は、ネットやSNSでも拡散され多くの反響を呼びました。
こちらの投稿では、「ドローンショーいいね!」や「横浜開港祭で素敵な時間をくれたドローンショー、夢をありがとう!」などのコメントが確認できました。
第41回横浜開港祭ドローンショーでは、迫力あるアニメーションの演出により、30万人を超える観客に感動を与えました。
また、本ドローンショーの幻想的な光と音のスペクタクルに対し、来場した約30万人の観客は息を呑み、ショー終了後は大きな拍手喝采が送られました。
まとめ
本記事では、ドローンショーではどんな機体(ドローン)が使われているのかを紹介しました。
- 株式会社ドローンショー・ジャパンは、国産初のドローンショー専用機体『unika』を開発している
- インテル社は、小型軽量のドローンショー専用機体『Shooting Star』を開発・製造している
- 株式会社レッドクリフは、屋外ドローンショー専用機体『TAKE DRONE』を販売している
- 株式会社レッドクリフは、屋外ドローンショー専用機体『EMO』を販売している
- ドローンショーは、複数のドローンを高度な技術と緻密な計算によってプログラミング制御している
- 国産のドローンショー専用機体unikaを使った『目の愛護ショー in TOKYO』が2024年3月22日に東京・豊洲で開催された
- Intel(インテル)社ドローンShooting Starを使った『東京オリンピック2020開会式』が2020年7月23日に新国立競技場で開催された
- ドローンショー用専用機体TAKEを使った『第41回横浜開港祭ドローンショー』が2022年6月2日に神奈川県横浜市臨港パークで開催された
日本国内で開催されるドローンショーでは、主に「unika」「Shooting Star」「TAKE」「EMO」の4機種が使用されていることが分かりました。
どのドローンショー専用機体も、小型・軽量ボディを採用しており、高輝度LEDや透明ボディで作られています。
各ドローンショー企業によって、使用する専用機体が異なります。
そのため、これからドローンショーを見る方は、自分が見ているドローンショーはどこの企業が担当し、何の専用機体を使用しているのか注意深く観察してほしいと思います。
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