花火でも、プロジェクションマッピングでもない。“夜空そのもの”がスクリーンになり、光がストーリーを語り出す——それがドローンショーです。
ただし、ドローンショーの成否は「台数」だけで決まりません。観客の心を動かすのは、演出(=体験設計)。どんな物語を、どんなテンポで、どんな余韻で届けるか。ここを押さえると、集客・話題化・企業価値の訴求まで一気に伸びます。
本記事では「ドローンショー 演出」をテーマに、初めて企画する担当者でも失敗しにくい演出設計の考え方と、開催までの現実的な進め方を整理します。
ドローンショーの「演出」とは何か

ドローンショーの演出は、単に「光で絵を描く」ことではありません。
①ストーリー(何を伝えるか)/②構成(どう盛り上げるか)/③表現(どう見せるか)/④運用(安全に成立させるか)を一つに束ね、観客の体験を設計する行為です。
そして日本で実施する場合、屋外飛行や機体要件など、制度面の理解も欠かせません。たとえば無人航空機の登録制度は2022年6月20日に開始され、登録されていない機体は飛行できません。
また、100g以上の無人航空機を屋外で飛行させる際の「飛行許可・承認手続」について国土交通省が案内しています。
つまり演出は、クリエイティブと法規・安全を両立させる“総合設計”です。
観客の心を掴む「演出」7つの設計ポイント
①演出は目的に従う
最初に決めるべきは台数ではなく、目的の一行化です。
例:
- 「新商品を“未来の象徴”として印象づける」
- 「周年を“社員と地域への感謝”として可視化する」
- 「採用広報で“挑戦する会社”を夜空に刻む」
目的が一行で定まると、演出の迷いが減ります。逆に目的が曖昧だと、演出が“綺麗だけど何も残らない”になりがちです。
②物語は「起・承・転・結」より「3幕」にする
多くのイベントは時間が限られます。おすすめは3幕構成。
- 第1幕:期待をつくる(ロゴや象徴モチーフ、点灯の“始まり”)
- 第2幕:世界観を広げる(商品・地域・キャラクター・メッセージ)
- 第3幕:余韻で記憶に固定する(一番見せたい形+短い言葉)
ドローンショーは「一瞬の写真」だけでなく、「流れ」で感動を増幅できます。クライマックスのために、前半はあえて“溜める”のがコツです。
➂観客がスマホを構える瞬間を“設計”する
SNS拡散を狙うなら、撮影される瞬間を作りにいきます。
- 静止で3〜5秒止める(写真が撮られる)
- 回転・変形はゆっくり(動画で映える)
- 文字は短く(読めるのは一瞬)
「撮りたい」が生まれると、観客は“次のシーン”を見逃したくなくなり、自然と滞在時間が伸びます。
④音は“BGM”ではなく、演出の骨格
音は会場の空気を支配します。おすすめは、
- 立ち上がりは低音少なめで期待を作る
- 中盤でテンポを上げて“変化量”を出す
- 終盤で一気に解放して余韻を残す
音の強弱と光の変化が一致すると、体験が「理解」ではなく「体感」になります。
⑤文字演出は「短く、太く、意味を一点突破」
夜空の文字は、情報量を詰めるほど読まれません。
刺さるのは、例えば:
- 「THANK YOU」
- 「10th」
- 「NEXT」
- 「◯◯ CITY」
会社名や商品名を入れるなら、1回で覚えられる配置と秒数にするのが勝ち筋です。
⑥“最後の一枚”を先に決める(逆算の演出設計)
最高の構図は、最初に決めてしまう。なぜなら観客の記憶は、最後の強いシーンに引っ張られるからです。
最後にロゴ、最後にキャラクター、最後にメッセージ。ここを固定すると、構成が組みやすくなります。
⑦安全・導線も演出の一部(不安があると感動しない)
観客は「危ないかも」と感じた瞬間に、感動から離脱します。
- 観覧エリアの案内(どこで見れば良いか)
- アナウンスのタイミング(始まる前・中盤・終了後)
- 終了後の導線(混雑・帰宅動線)
ここまで含めて“演出”として設計すると、満足度が一段上がります。
演出を参考にした記事をこちらでもご覧いただけます▼

花火・レーザー・プロジェクションと何が違う?

ざっくり整理します。
- 花火:圧倒的な迫力。天候・騒音・火薬の制約が大きい
- レーザー:近距離で強い。視界条件や会場形状の影響がある
- プロジェクションマッピング:建物や壁が必要。視点の制約が強い
- ドローンショー:空間に“形”を作れる。ロゴやストーリー表現が得意。写真・動画で拡散されやすい
実際、東京2020開会式では1,824機のドローンが夜空に地球を描いた事例が紹介されています。
「企業メッセージを空に出す」体験は、映像だけでは代替しにくい強みです。

イベント別・刺さる演出アイデア集

企業周年・記念式典
●ロゴ → 社史の象徴(年号やアイコン) → “次の10年”のキーワード
●社員の家族も楽しめるモチーフ(星・花・ハートなど)を一つ入れる

新商品発表・ブランドキャンペーン
●商品シルエット → 特徴を象徴する形(波形、速度、羽、粒など) → 商品名(短く)
●最後にQR誘導は“会場演出”で(空に細かいQRは現実的に難しいことが多いので、地上サイネージと合わせる)

地域祭り・観光誘致
●地域の象徴(城、山、名産) → “地元の言葉”の短いメッセージ
●近隣住民への配慮(時間帯、告知、導線)を丁寧に。これが次年度開催の鍵になります
開催までの流れ:押さえるべきステップ
「問い合わせ→すぐ当日」にはなりません。ざっくり以下の順で進みます。
この時点で、「何を準備しておけばスムーズ?」という声が増えるので、次にチェックリストを置きます(ここで滞在時間も自然に伸びます)。
3分で自己診断:問い合わせ前チェックリスト(コピペ可)
以下を埋めておくと、打ち合わせが一気に進みます。
- 開催目的(例:周年の話題化/採用/地域貢献):
- 希望日程(第1候補/第2候補):
- 開催エリア(市区町村レベルでOK):
- 想定観客数:
- ショーの尺(目安:5分/8分/10分):
- 入れたい要素(ロゴ/商品/キャラクター/文字):
- 音の希望(オリジナル曲/既存曲/ナレーション有無):
- 雨天・強風時の考え方(延期/中止/代替演出):
- 参考イメージ(近い動画URLがあれば):
この9項目が揃うと、「演出提案」「概算」「実施可否」の精度が上がります。
依頼先はどう選ぶ?—“演出力”と“実装力”の両輪で見る
ドローンショーは、企画だけ強くても、運用だけ強くても成立しません。
見るべきは、演出提案→機体→運用が一気通貫かどうかです。

株式会社ドローンショー・ジャパンは、ドローンショー専用機体の開発・製造やショー事業を行う企業として会社情報を公開しています。
また同社サイトでは「国内最多の豊富な実績」や、1,000機規模の案件に携わった旨を掲げています。
「社内に説明しやすい根拠(実績・体制・拠点・事業内容)」が揃っているかは、発注側にとって大きな安心材料になります。
まとめ
ドローンショーの演出は、夜空に“絵”を出す作業ではなく、目的から逆算した体験設計です。
成功の鍵は、①目的の一行化、②3幕構成、③撮影される瞬間の設計、④音と光の同期、⑤短い文字、⑥最後の一枚の逆算、⑦安全と導線まで含めた総合設計——この7つ。
そして日本での実施は、無人航空機の登録制度や飛行許可・承認など制度理解も必要になります。だからこそ、演出提案と運用実装を一体で進められるパートナー選びが重要です。
もし「周年を印象的に締めたい」「新商品を一夜で話題化したい」「地域イベントの目玉が欲しい」と考えているなら、まずは本記事のチェックリストを埋めてみてください。
そのうえで、株式会社ドローンショー・ジャパンに相談すれば、目的・会場条件に合わせた現実的な提案に繋げやすくなります。

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