イベントを成功に導く鍵は、「どれだけ多くの人に足を運んでもらえるか」にかかっています。
しかし、ただ開催の告知を出すだけでは、思うような集客効果は得られません。
イベントの目的を明確にし、ターゲットとなる参加者のニーズを把握したうえで、適切な企画や広報戦略を構築することが求められます。
また、現代のイベントでは、SNSや動画、インパクトのある演出などを活用し、参加者の関心を引く仕掛けも欠かせません。
中でも注目されているのが、視覚的演出と話題性を兼ね備えたドローンショーなどのテクノロジー系コンテンツです。
加えて、イベント終了後の効果測定やフィードバックの仕組みづくりも、継続的な成功のカギを握ります。
この記事では、イベント集客において押さえておきたい戦略的なアプローチや実践ポイント、さらに成功事例までをわかりやすく紹介します。
- イベント集客における戦略構築ステップ
- イベント集客を最大化させるための工夫
- オフラインイベント集客の有効手段
- イベント集客の成功事例
初めてイベント企画に関わる方はもちろん、これまでに何度もイベントを開催してきた担当者の方にとっても、新たなヒントが得られる内容となっています。
イベント集客における戦略構築の5ステップ

イベントで多くの来場者を集めるには、明確な計画が不可欠です。
目的や対象者をしっかりと定め、それに基づいた企画や広報戦略を練る必要があります。
また、イベントが終わった後も効果の検証や振り返りを行うことで、次回以降の集客精度を高められます。
ここでは、効果的な集客のために押さえておきたい5つの基本ステップを紹介します。
STEP①ターゲットとそのニーズをしっかり分析する
まず取り組むべきは、「誰に向けたイベントなのか」を明確にすることです。
想定する年齢層や職業、生活スタイルなどを具体的にイメージし、その人たちが何に関心を持っているのかを把握します。
SNS(InstagramやXなど)での発信は潜在層へのアプローチに効果的です。
一方で既存顧客を対象にする場合は、LINEやメルマガなどで特典や参加メリットを訴求する方法が向いています。
さらに、メディアに掲載されることでイベントの信頼性や注目度も高まるため、プレスリリースの活用も検討しましょう。
STEP②イベントの目的にマッチした企画を立てる
ターゲットが定まったら、その層にどのような価値を提供したいのか、目的に応じた企画を立てましょう。
たとえば以下のような目的があります。
- ブランドや商品を広く認知してもらいたい
- 既存顧客に新たなサービスを案内したい
- ファン層を拡大したい
- 眠っているニーズを持つ潜在顧客を開拓したい
目的が曖昧なままでは、訴求の方向性がぶれ、効果的な集客は難しくなります。
企画段階で明確なゴールを設定することが重要です。
STEP③イベント予算を把握して調整する
ターゲットと企画が固まったら、実行に必要な費用を算出します。
会場費、装飾費、配布物、広報コストなど細かい項目に分けて予算を立てましょう。
見込まれる売上や来場者数から逆算し、1人あたりにかけられるコストを試算する方法も有効です。
また、過去の類似イベントのデータを活用して、費用対効果を見える化しておくと、失敗を防げます。
STEP④効果的なタイミングで情報発信する
情報発信は一度きりではなく、計画的に複数回に分けて行うことが成果につながります。
開催数カ月前から段階的に告知を始め、「開催決定」「1か月前」「1週間前」といった節目で発信することで、徐々に関心を高められます。
SNS投稿や広告出稿、プレスリリースの発信など複数の手段を組み合わせ、認知を広げましょう。
参加予定者だけでなく、メディアや協力企業に対する広報活動も忘れずに実施してください。
STEP⑤開催後の振り返りと効果検証を実施する
イベントが終了した後は、実施した内容が当初の目的にどれだけ貢献したかを評価します。
費用対効果、企画の方向性、告知手法の有効性など、多角的に振り返りましょう。
具体的には以下を実施すると効果検証しやすくなります。
- アンケートによる参加者の満足度調査
- SNS上の反応(エゴサーチ)を確認
- メール開封率などの数値を分析
これらのデータを次回に活かすことで、より洗練されたイベント設計が可能になります。
イベント集客を最大化するための7つの工夫

イベントを成功させるには、参加者のニーズを捉えた訴求や、申し込みやすさの確保など、戦略的な集客が不可欠です。
ここでは、集客効率を高めるために押さえておきたい7つの実践ポイントを紹介します。
開催前からしっかりと備え、魅力が伝わる情報発信を行いましょう。
ポイント①興味を引く特典・ベネフィットを明示する
イベントの集客効果を高めるには、「参加する価値がある」と思ってもらうことが重要です。
例えば以下のようなメリットを明確に伝えると、関心を引きやすくなります。
- 限定ノベルティのプレゼント
- 有識者や著名人による講演
- 他参加者との交流機会
- 早割・特典付きの申込制度
こうしたベネフィットを前面に打ち出すことで、「このイベントに行きたい」と思わせる後押しになります。
ポイント②告知はできるだけ早く始める
イベントが近づいてから情報発信を始めるのでは手遅れになってしまうため、余裕を持って認知を広げることが、参加率アップに直結します。
以下のような段階的アプローチがおすすめです。
- 数ヶ月前:概要や日程の公開
- 申込受付開始時:特典情報のアナウンス
- 開催直前:リマインドとしてSNSやメールで後押し
情報解禁が早すぎるとキャンセルも増えるため、計画的なタイミングが重要です。
ポイント③参加申し込みのハードルを下げる
「興味はあるが迷っている」という層の背中を後押しするには、申し込みの障壁を下げる工夫が有効です。
- 無料参加や一人でも申込可能な案内
- 参加条件の簡略化
- 当日参加OKなどの柔軟性
ただし、安易な条件緩和はブランド価値を損ねる可能性もあるため、目的とのバランスが必要です。
ポイント④魅力的なキャッチコピーやタイトルを設定する
イベントの第一印象はタイトルやキャッチコピーで決まります。
ターゲット層に合わせて、わかりやすく関心を引ける言葉を選びましょう。
- 子ども向けイベントならひらがなや親しみやすい表現
- 専門分野なら初心者も理解できる言葉の選定
- SNS映え・検索に強いキーワードの活用
視覚的に目を引く表現と情報的な訴求のバランスが大切です。
ポイント⑤立地やアクセス性を考慮した会場選び
来場者の参加しやすさに直結するのが「アクセスの良さ」です。
駅近や主要交通機関からのアクセスが容易な立地が理想です。
また、イベントに付加価値を持たせたい場合は、以下のような特別感のある会場選びも効果的です。
- 歴史的建造物や文化施設
- 話題の複合施設や地域のランドマーク
会場そのものが話題になれば、SNSでの拡散も期待できます。
ポイント⑥定期的に情報をリマインドする
イベントまでの期間中、複数回にわたり告知することで、検討層へのリーチを高めましょう。
- SNSでの投稿を継続
- メルマガやDMによるお知らせ
- 公式サイトにQ&Aや申込者用FAQページを設置
一度申し込んだ人も含め、こまめな接点を持つことで参加率を高めることが可能です。
ポイント⑦過去の実績や素材を積極的に活用する
信頼感を高めるためには、過去のイベント実績を活用しましょう。
具体的には、以下のような素材が有効です。
- 前回開催時の写真・動画
- 参加者のコメントやアンケート結果
- 参加者数・満足度などのデータ
もし実績がない場合でも、会場のイメージ図やモデル写真で雰囲気を伝えることは可能です。
オフラインによるイベント集客の有効手段

オフラインでイベント情報を周知する手段としては、チラシの配布や電話による案内などが挙げられます。
こうした方法は、オンライン施策と比べて人手や費用がかかる傾向がありますが、ターゲットに直接働きかけられる点が大きな利点です。
プレスリリースの活用やメールマガジン配信と組み合わせて活用したい、代表的なオフライン施策を4つご紹介します。
1.チラシやはがきによる地域配布
イベントの詳細を個人や企業に周知する手段として定番なのが、チラシやはがきの配布による宣伝です。
ティッシュに小型のチラシを挟んで配るといった方法もありますが、日時や会場、プログラム内容など多くの情報を伝えたい場合には、チラシ単体での配布やポスティングの方が適しています。
特に配布範囲が限定されるため、地域に根ざしたイベントでは非常に効果的です。
開催地周辺の住民を対象とした催しであれば、地元密着の告知手段として積極的に活用しましょう。
2.電話による関係者への案内(テレアポ)
電話営業(テレアポ)は、チラシの印刷・配布に比べてコストを抑えやすく、効率的に情報を届けられる方法です。
対応する人員の確保は必要ですが、既存顧客や取引先などの関係者に向けて、ダイレクトにイベント情報を伝えられます。
すでにプレスリリースやLINE配信などで興味を持ってもらっている相手がいる場合は、関心を示した人に限定して電話をかけることで、無駄なく参加を促せられます。
3.社内外の関係者からの紹介・口コミ拡散
インターネット上では情報が届きにくい層に対しては、社員やパートナー企業など関係の深い人から直接イベントを紹介してもらうという方法も有効です。
過去に似たようなイベントを開催している場合、その体験談を元に口コミとして広めてもらうことで、自然な形で認知を広げることが可能になります。
口コミは信頼性が高く、第三者の評価としてイベントの価値を伝える手段にもなります。
企業の信頼性やイベントの実績を広く知ってもらうきっかけにもなるでしょう。
なお、関係者向けの案内状については、別途書き方のポイントを紹介していますので、そちらもあわせてご覧ください。
4.ドローンショーを使った集客手段

視覚的なインパクトを強く与えるドローンショーは、近年注目されている最新の集客施策のひとつです。
夜空に数百機のドローンが光と動きで描く演出は、来場者の記憶に残りやすく、SNSなどでの拡散効果も期待できます。
特に屋外での大型イベントや自治体主催の催しでは、話題性やニュース性を高める手段として有効です。
また、企業ロゴや商品名などを空に浮かび上がらせる演出も可能なため、ブランディング施策としても活用できます。
イベントそのものの価値を高めながら、集客にもつながる一石二鳥のプロモーション方法といえるでしょう。
イベント集客の成功事例

ここでは、イベント集客の成功事例を紹介します。
それではここから、イベント集客に成功した事例を1つずつ詳しく解説します。
1.観客動員数が前年比140%超!富士急ハイランドの60周年記念ドローンショー
2024年8月、富士急ハイランドにて6日間にわたり開催された「ドローン&花火ショー」は、大盛況のうちに幕を閉じました。
前年同時期と比較して来場者数は140%以上に達し、多くの観客が訪れたことを受けて、9月にも追加公演が実施されました。
9月14日(土)から16日(月・祝)、および21日(土)から22日(日)までの計5日間にわたって、急遽ドローンショーが再び開催される運びとなりました。
イベントを開催した株式会社ドローンショー・ジャパンは、山梨県富士吉田市に位置する富士急ハイランドが迎えた開業60周年記念イベントにおいて、8月10日(土)から15日(木)の期間中、夜空を彩るドローンショーの企画と演出を担当いたしました。
この記念ショーでは、500機のドローンが一斉に夜空を舞い、60周年ロゴのほか、人気アトラクション「FUJIYAMA」や「きかんしゃトーマス」の仲間たちを映し出す演出が行われました。
最先端のテクノロジーによって構成されたこのショーは、来場者に富士急ハイランドのこれまでの歩みと、これからの未来を象徴する感動的な演出を届けました。
期間中の観客動員数は、前年の同時期を大きく上回り、140%以上の伸びを記録しました。
富士急ハイランドにとっては初の大規模なドローンショーであり、今回の成功はレジャー施設における新たな集客施策の可能性を示す象徴的な事例となりました。
2.株式会社エヌエイチケイ文化センター:芸能人起用とマルチチャネルでの参加特典
NHKカルチャーは、声優の小野賢章氏を招いたトークイベントを開催しました。
会場参加者には限定グッズを、オンライン参加者には特別映像を提供するなど、参加形態に応じた特典を用意しました。
さらに、イベント終了後には見逃し配信を実施し、参加できなかったファンにもアプローチすることでイベント集客に成功しています。
・著名人の起用で話題性を確保
・参加形態ごとの特典で満足度向上
・見逃し配信でリーチを最大化
3.JRA京都競馬場:特設サイトとSNS連動でイルミネーションイベントを展開
JRA京都競馬場は、秋のイルミネーションイベントを開催し、イベント専用の特設サイトを開設しました。
SNSでは、指定ハッシュタグを付けて投稿した来場者に特典を提供するキャンペーンを実施しています。
これにより、オンラインとオフラインの連動を図り、集客効果を高めました。
・特設サイトで情報を一元化
・SNSキャンペーンで拡散力を強化
・イルミネーションという視覚的要素で注目度アップ
4.富士観光開発株式会社:地域の記念日を活用した無料入園イベント
富士すばるランドでは、11月20日の「山梨県民の日」に合わせて、通常2,000円の入園料を無料とする特別企画を実施しました。
併せて、地域の特産品を紹介するイベントも開催し、地元住民の来場を促進することに成功しています。
・地域の記念日を活用したタイムリーな企画
・無料入園で来場ハードルを下げる
・地域密着型のイベントで地元住民の関心を喚起
5.バリューマネジメント株式会社:記念日に合わせた1日限定の日本酒イベント
NIPPONIA HOTEL 奈良 ならまちでは、「日本酒の日」に先駆けて、地元酒造とのコラボイベントを1日限定で開催しました。
このコラボイベントは、予約不要・入場無料とし、気軽に立ち寄れる形式で幅広い層の来場を促したことで集客に成功しています。
・記念日に合わせた限定感のある企画
・地元企業とのコラボで地域色を強調
・予約不要・入場無料で参加ハードルを低減
6.クタニズム実行委員会:複数会場を巡るユニークベニューイベント
石川県で開催された「KUTANism」は、九谷焼の魅力を伝えるため、複数のユニークベニューを巡る形式で実施しました。
プログラムと巡り方を紹介するガイドブックを配布し、参加者が自分のペースで楽しめるよう工夫されていました。
・複数会場を巡ることで体験価値を向上
・ガイドブックの配布で参加者の利便性を確保
・地域文化を体感できるコンテンツで観光客の関心を引く
7.東京建物株式会社:都心の公園で複数のイベントプログラムを展開
東京建物は、都心エリアの公園で複数のイベントを同時開催しています。
プレスリリースでは、芸能人の登壇者やキャラクターを紹介し、開催場所がわかりやすい画像を掲載するなど、情報発信に工夫を凝らしました。
実際のプレスリリースはこちらです。
・都心のアクセス良好な場所で開催
・複数のイベントを同時展開で多様な層を集客
・視覚的にわかりやすい情報発信で参加意欲を喚起
8.住友不動産商業マネジメント株式会社:プレスリリースでイベント出展者を募集
住友不動産商業マネジメントは、ショッピング施設で開催される『THANKS ママ フォーラム -2024 WINTER-』に向けて、出展者の募集をプレスリリースで広く発信しました。
主催者側は、訴求力のあるコピーとともに、参加対象、応募方法、そしてイベント当日のイメージが伝わる写真素材をふんだんに掲載し、単なる募集ではなく「参加したくなる魅力づけ」に成功しました。
加えて、出展者が安心して参加できるよう、会場までの詳細なアクセス案内や、過去開催時の様子、来場者層のデータも提供しています。
ただの告知にとどまらず、パートナーとの信頼関係を築く一手として、広報活動を丁寧に設計している点が特徴的です。
・プレスリリースを活用し、出展者に直接アプローチ
・写真や過去実績など「出展後のイメージ」が湧きやすい情報設計
・安心感を持たせるための丁寧なアクセスガイドと参加データの提示
まとめ|効果的なイベント集客で認知度・売上アップ
イベント集客を成功させるためには、明確な戦略の設計と、それを確実に実行する体制が欠かせません。
単に「人を集める」ことを目的とするのではなく、「誰に、どのような価値を提供するのか」を最初に定めることで、イベント全体の設計に一貫性が生まれます。
そのうえで、ターゲット層の興味・関心を踏まえた企画や広報を行うことが、効果的な集客につながります。
また、近年のイベント集客において注目されているのが、SNSとの親和性が高く、視覚的なインパクトを与えやすいプロモーション手法の活用です。
中でもドローンショーは、集客施策として非常に高い効果を示しています。
たとえば、2024年8月に富士急ハイランドで開催された開業60周年記念ドローンショーでは、前年同時期比で観客動員数が140%以上増加し、大成功を収めました。
この事例は、視覚的演出が感動体験を生み、それがSNSを通じて拡散されることで更なる集客につながるという好循環を生み出した象徴的な例です。
このように、テクノロジーを活用した話題性のある演出は、現代の集客施策において大きな武器となります。
加えて、イベント終了後にはしっかりと効果を振り返り、得られたデータをもとに次回の改善に生かすことが、継続的な成功の鍵となります。
つまり、効果的なイベント集客とは、「事前の戦略設計」「ターゲットに合わせた情報発信」「話題性のある施策」「終了後のフィードバック」という4つの要素を軸に、継続的なPDCAサイクルを回すことで実現できます。
そしてその中でも、ドローンショーのような革新的かつ印象に残るコンテンツは、特に現代の集客手法において大きな可能性を秘めていると言えるでしょう。